創部50周年記念誌

2010年6月4日発行

ワンダーフォーゲル部創部の頃

前野安伸 初代OB会長(S38年卒)

今、中高年の登山ブームだといわれているが、50年前も山ブームだった。当時、週末の新宿駅には夜行列車に乗るために座り込みの列が出来た。車内ではわざわざ床に寝て、起きてすぐに眠い目をこすりながら歩いたものだ。若い人も今ほど他にエネルギーを発散するものが少なかったためか、山に行く人が多かった。

当時、多くの大学でワンゲルが出来たが、一橋のワンゲルも山好きの仲間が集まって発足した。創部直後の活動は、霧ヶ峰、美ヶ原、木曽開田高原など高原歩きや、奥秩父、南アルプス、北アルプス、八ヶ岳、飯豊・朝日など山尾根歩きが中心だった。とにかく理屈なしに、山や高原の自然のよさが魅力だった。

あれから50年たった今でも時々、近郊の山歩きやウォーキング、ランニング他スポーツができるのも、ワンゲルによる基礎体力のおかげだと思う。


創部50年を迎えて

保坂証司 前OB・OG会長(S44年卒)

一橋大学ワンダーフォーゲル部は平成21年、創部から50年を迎えました。

この半世紀を改めて振り返りますと、創部・草創期の諸先輩のご苦心・工夫を経まして、部活動が軌道に乗り、創部から10年前後ころに昭和43年卒年次を中心とする諸先輩の発案で旧威守松小屋の建設が昭和46年になされ、昭和47年次以降の皆さんは、山小屋を拠点とした山スキーや沢登り等に活動の新展開を求め、山小屋がワンゲル活動の原点になったと伺っております。その間、草創期のOBの皆様には想像もつかなかったことには、女性部員の増加と活躍があったことも挙げられます。

旧山小屋の経年劣化に対処する諸施策が平成10年前後になされましたが、その後の検討の曲折を経て、240名以上のOB・OGの皆様から2,000万円近い拠出金をいただき、平成12年に旧山小屋より低い位置にあり車で到達可能な地点に、新しい現在の山小屋が2代目の威守松小屋として完成しました。

その後、大きく浮かび上がってきた問題は、現役部員の減少でありました。4学年合わせて10名前後の現役部員となったこともあり、従来は現役部員が設営してくれておりましたOB・OG総会をOB・OGが主体となって開催することに、平成15年に変更して現在に至っております。山小屋の維持管理につきましても、OB・OGが主体となって運営して行く方向になりつつあるのが、現状と思われます。

次の半世紀を踏み出すにあたり、足元の問題点は、一番目に現役部員の維持・増員ということであり、二番目が二代目威守松小屋の有効活用ということであろうと存じます。

部員数の維持につきましては、毎年の新入生勧誘活動にOB・OG会として協力してきておりますが、今後も協力を一層強化していくことが必要と思われます。

新しい山小屋は先ほども申し上げましたとおり、車で行ける地点にあり、建設後の改造やストーブの設置等で冬期間でもかなり快適に過ごせる山小屋となってきております。OB・OGの皆様が山小屋祭りや冬季のスノーシュー行事等に多数ご参加いただける事をお願い致します。

最後になりましたが、OB・OGの皆様のご健勝と、今後のご活躍を祈念いたしますと共に一橋大学ワンダーフォーゲル部ならびにOB・OG会の益々の発展をお祈り申し上げます。